食品スーパー精肉部門担当者の人へ
「売上が上がる鶏肉売場の作り方を知りたい!」
「売価を変えることしかしていないので何をすれば良いのか分からない」
「鶏肉部門で売上を上げる方法が思いつかない」
こんな風に思っていませんか?
このような疑問に出来る限りお答えします。
目次
【売上が上がる鶏肉売場を作る方法】
①インプロや販売企画を日替わりで継続する。
②競合店がEDLP戦略なら鶏肉の売価を真似して集客を図る。
➂鶏肉味付焼肉のコーナー化をする
④鶏肉だけのセット商品を陳列する。
⑤グラム単価を大幅に安くした大パック商品を陳列する。
鶏肉売場はどこのスーパーへ行っても、売価が多少違うだけで、ほとんど一緒ではないでしょうか?
鶏肉は精肉部門の中で一番売価が安いですし、料理の需要が高いので売れるカテゴリーです。今までは仕入原価が安くて、陳列さえすれば利益を稼ぐことができる部門でしたが、年々原価が上昇傾向にあります。
他の部門と同様に、対策を講じないと売上高や利益高を稼ぐことができない部門になっています。

①インプロや販売企画を日替わりで継続する。

豚肉売場や牛肉売場は店舗や企業によってそれぞれに個性があり、特徴があり、取り扱い商品も違うので面白みがあります。
ですが鶏肉売場は売価の違いはありますが、どの食品スーパーでもほとんど一緒ではないでしょうか。
お客様は鶏肉が必要なので出来るだけ安いのを買うだけのカテゴリーになっています。
牛肉売場や豚肉売場と同様にして、地域性を考慮した売場、店舗ごとの個性を強調した売場、お客様の需要に沿った売場を作ってしまったら売れるようになると思います。
私の店舗では、月曜日と火曜日にはぞろ目市を開催しています。
全部門がそれぞれ選択した商品の売価をぞろ目にするというシンプルな企画なのですが、これが非常に良く売れます。
例えば鶏肉売場では、鶏もも88円/g、鶏むね44円/g、鶏ささみ77円/g、鶏手羽元66円/g、鶏手羽先66円/g、鶏血肝55円/g、鶏ももミンチ99円/g、鶏むねミンチ66円/gです。
鶏肉売場だけでも圧倒的なアイテム数です。そして鶏肉だけではなく、牛肉や豚肉、加工品も下段や平ケースでぞろ目価格にして統一感を出しています。
インパクトもありますが、月曜日と火曜日は鶏肉が安いというイメージがお客様に認知されています。そしてしっかりと利益も取れる売価になっていると思います。
もちろん月曜日と火曜日以外には、通常売価で販売して、売場にメリハリを付けています。
②競合店がEDLPなら鶏肉の売価を真似して集客を図る。

私が勤務する企業の店舗の中には、隣接する競合店が鶏肉が破格の値段で販売している店舗が多くあります。
このEDLPを実施する競合店舗に対抗するには売価を真似るしかありません。
鶏肉は非常に需要が高いカテゴリーです。料理に使用する頻度が高いし、単価も安いので買上点数は非常に多くなります。
鶏肉が圧倒的に売価で勝てないと集客ができない傾向にあります。客数を奪われる可能性もあるので、鶏肉に関しては売価を真似するのが良いです。
もちろん商品部やバイヤーの許可が必要にはなりますが、客数が減るとどうしてもそれ以上の弊害が発生するので、鶏肉のカテゴリーでの利益率など考慮しつつ他のカテゴリーで稼ぐ戦略しかありません。
競合店の鶏肉の売価が安くても、そこまで客数を奪われていない場合は、鶏肉の売価は自分の会社の指示売価にして、他の部門で集客を促すという戦略もあります。
牛肉売場や豚肉売場、加工品売場で、競合店を圧倒し、来客数を増やし、鶏肉も買ってもらうという方法です。
しかし実際には、その戦略が成功しても鶏肉だけはまったく売れない状況になります。
競合店の鶏肉売価を常に意識をして真似するのが総合的に妥当です。
➂鶏肉味付焼肉のコーナー化をする

牛肉や豚肉は味付焼肉の商品をよく目にします。でも鶏肉で味付商品を販売している店舗は少ないと思います。
味付商品は時短商品です。忙しい主婦の方や、会社帰りの会社員の方が自炊で時間をかけずに作れる時短調理品です。
焼くだけ簡単なので夕方のプラス一品や時短調理品として売れていく商品です。お弁当やお惣菜を控えて、家で簡単に調理したいお客様に売れていきます。
そしてこの鶏肉を使用した味付焼肉のアイテムを加えることで、認知度は遥かに上がっていくと思います。
私の店舗では鶏肉だけで味付売場をコーナー化しています。そして焼肉需要の強い時期には、鶏肉味付焼肉よりどりセールや、豚肉と牛肉を加えて味付よりどりセールもよく実施しています。これが面白いほど良く売れます。
特に夕方に向けて、若いお客様が購入されていきます。育児や家事に追われている主婦の方や、仕事帰りの会社員の方には、帰宅してから料理するのはすごく面倒くさいことです。
その面倒くさいことを食品スーパーが代わりにやっておくと考えると売れる商品が出来ると思います。時短商品はこれからもどんどん売れていくと思います。
④鶏肉だけのセット商品を陳列する。

鶏肉は夕食の需要が一番多い食材です。調理の種類が多く、比較的安く、簡単に作れるので、夕食に悩んだら鶏肉を買うお客様も多いと思います。
その単価の安さを利用したセット商品を陳列することをお勧めします。
例えば鶏モモと鶏ムネ、白菜やしいたけなどが入った鶏肉鍋セット。
鶏ももミンチと鶏ムネミンチ、つみれの素などが入った鶏つみれセット。
カットした鶏ももと鶏ムネ、キャベツや玉ねぎ、しいたけなどが入った鶏焼肉セット。
このセット商品があれば、売場を行ったり来たりして、野菜を買い、鶏肉を買う手間が省けるので時短商品でもあります。お客様は料理は出来るだけ簡単に済ませたいと同じように、買い物もすぐに終わらせたいと思っています。
このようなセット商品を平台ケースなどに陳列をすると、非常にインパクトがある売場になるだけでなく、しっかりと売れていきます。
もちろん売価設定は、店舗の鶏肉の一品単価を加味しながら、売れる売価を模索していく必要があります。
⑤グラム単価を大幅に安くした大パック商品を陳列する。

平ケースがある店舗では大容量の大パック商品を陳列することをお勧めします。
もちろん商圏のお客様の構成や動向を考慮しなければいけません。来店されるお客様に若いお客様がいるなら、大パックも効果があると思います。
例えば、鶏ももで2㎏/1280円@640円、鶏ムネで2㎏/780円@390円グラム単価で鶏ももが64円、鶏ムネは39円は相当お買得だと思います。
大量買いのファミリーや若いお客様が購入されていきます。
仕入のコントロールは必要ですが売上高は上がります。
鶏肉売場は一品単価が安いので、高単価商品を陳列すると必ず良い結果がでてくると思います。

【まとめ】
どの店舗も鶏肉売場はつまらなくないですか?
豚肉と共に鶏肉も非常に良く売れます。料理によく使いますしレパートリーが豊富だからです。そして値段が比較的安いからです。
ただ鶏肉売場というのは、牛肉売場や豚肉売場とは異なり、地域性や企業の個性を出しにくいカテゴリーだと思います。売価の安さだけで売れ行きが変わってしまうカテゴリーです。
なのでEDLPを実施している企業では、特に鶏肉の売価を安くして集客をしているのが主流です。鶏肉だけ売価を競合より圧倒的に安くして集客を図る戦略です。
鶏肉売場を競合店よりも魅力のある売場にすれば、また売上が変わってくると思います。
その店舗も鶏肉売場は同じようなものだからです。
なので私の店舗では鶏肉ではあまり実施していない企画やインプロを強化しています。