食品スーパー精肉部門担当者の人へ
「売上が上がる精肉売場の作り方を知りたい!」
「どうやったら売上が上がるのか分からない」
「売上を上げる為に何をすればよいのかわからない」
こんな風に思っていませんか?
このような疑問に出来る限りお答えします。
目次
【売上が上がる精肉売場を作る方法】
①平台ケースで毎日売場を変更する。
②午前と午後で売場を変更する。
③グラム単価を極端に安くした目玉商品を作る 。
④週末は売上高重視の企画満載の売場を作る。
⑤企画や用途別でコーナー化をする。
⑥値引商品は値引コーナーに陳列する 。
⑦少量パック商品を定番化する。
この記事を書いた私は、食品スーパー精肉部門で約18年間勤務しています。主に新店やリニューアル店舗の精肉責任者や複数の店舗のアシスタントマネージャーをしています。
この記事を読んでもらうと、精肉部門4部門それぞれの売上が上がる売場の作り方を理解することができます。
私は食品スーパー4社に転職経験があります。様々な地域性が異なる店舗や客層が全く異なる店舗、競合店が強すぎる店舗などあらゆる店舗を経験しました。
そしてその都度様々なデータから、最適な売場や商品構成、売場構成を考えて、最大限の売上高を作る為の売場作りに注力をしてきました。
もちろんたくさんの失敗や挫折もありましたが、売上が改善した売場作りの一握りの成功事例をご紹介していきたいと思います。

①平台ケースで毎日売場を変更する

売上を上げる一番大事なアクションは毎日売場に活気をもたらすことです。
そして売場に活気をもたらすためには毎日売場を変更してインパクトを与えるのが効果的です。
なので平台ケースだけ毎日変えてみるのです。
毎日一部の売場でもいいので売場変更をすると精肉売場での全体の鮮度がよくなり、売場自体に活気が出てきます。
そうすることで精肉売場に飽きることが少なくなり、店舗に行ってから晩御飯のメニューを決めようという意識に変わってくると思います。
また毎日精肉売場を変更することで、この店舗は毎日売場が変わると認知されます。
今日は何が安いのか、今日は何がお勧めなのか、何か面白い商品はないのかなど期待してくれるようになるのでリピート率が上がってきます。
ただし期待を裏切ってしまったら逆効果なので日々の努力は必須です。
②午前と午後で売場を変更する

午前と午後では客層が大幅に変わる店舗が多いです。これは売上を最大限取ることができる最大のチャンスです。
時間ごとにどのような客層が来店されているのか、どのような商品が売れているのかを見極めることが大切です。
時間帯に応じた売れる商品群を見つけることが出来れば売上は面白いように上がっていきます。
例えば午前の主な客層が主婦ならば、お昼ご飯や夜ご飯の提案を含めた売場作りをします。夕食提案企画や簡単調理をコンセプとした売場作りが重要です。
午後からの客層が若い家族連れや学生に変わるのなら、大パックや味付関連、加工品の調理品関連を中心に売場を構成をしていきます。
需要と供給がマッチした無駄のない売場になります。
➂グラム単価を極端に安くした目玉商品を作る

売上を上げるためには毎日目玉商品を企画することが大切です。広告品ではなく自店でのインプロ販売企画です。
広告品はお客様がこの店舗に来店動機を与えるものです。インプロ販売はこの店舗に来店したメリットを目に見える形でお客様に還元するのです。
この場合一番売上高の貢献度の高い平台ケースでボリューム陳列することをお勧めします。
グラム単価を極端に安くした大パック商品を陳列します。
例えばどこの食品スーパーでも豚肉の売上構成比のトップは小間切れだと思います。
自店では豚肉小間切れを小パックで通常売価100g当たり168円で販売しています。自店での豚肉の平均一品単価は400円くらいなので、多段ケースでは398円を主力価格帯にしています。
目玉商品はこのグラム単価を極端に安くして一品単価を上げて販売します。
自店での豚肉の目玉商品として、豚肉小間切れ800g/698円@88円、1000g/780円@78円を販売しています。
一品単価は高いですがグラム単価は非常に安いので、若いお客様や大量買いのお客様がよく購入されていきます。このような商品の企画を毎週見直して実行しています。
④週末は売上高重視の企画満載の売場を作る

週末は食品スーパーの最大の見せ場であり稼ぎ場でもあります。
週末の売場で如何にお客様にインパクトを与えるか、サプライズを与えるかで、平日の売上高が変わってきます。
週末は薄利多売でも良いので、良いお肉や高いお肉をいかに安く見せるかがポイントです。商品を回転させて、しっかりと売上高を作ることに専念してください。
週末に売場に繁盛感や鮮度感が出てくるとお客様の売場満足度が上がってきます。
そして週末に来店してインパクトを感じたお客様は必ず平日も来店してくれます。
もちろん平日もお客様を満足させる売場作りは欠かせませんが、徐々に平日の売上高ベースが上がってくると思います。
⑤企画や用途別でコーナー化をする

いわゆる購買意欲を高める売場作りをお勧めしています。
例えば販売企画のコーナー化をしてみます。
売価が全て100g当たり100円の均一セールや、売価が全てぞろ目のぞろ目コーナーなどの販売企画を平台ケースに集めてコーナー化します。
コーナー化することで統一感が出てとてもインパクトがあり、お客様の購入動機となります。
また夕方の晩御飯の提案として、全ての鍋物商材が入った鍋物セットコーナーや、中華料理の材料だけを集めた中華コーナーなどの用途別でのコーナー化も効果的です。
関連商品と共に統一感を出して陳列をすると販売点数が稼ぐことができます。
コーナー化をすることで売場にメリハリが出来て、常に活気がある売場に見せることができます。
⑥値引商品は値引コーナーに陳列する

値引きコーナーを作ることはどこのお店も実施しています。
でも多くのお店は当日までの賞味期限の半額商品を値引きコーナーに集合させています。
そして明日までの賞味期限の10%引きや20%引きの値引き商品はそのまま多段ケースに陳列していることがほとんどです。
しかし売場に値引き商品があると売場全体の鮮度が下がります。
値引き商品は毎日出てきますが、それを新しい商品と一緒に陳列してしまうと、値引き商品の鮮度の悪さが目立ってしまい新しい綺麗な商品を隠してしまいます。
そうなると売場全体が綺麗には見えません。本当に売りたい商品が売れなくなります。
これを値引きコーナーに値引き商品をまとめることで、通常の売場が常に鮮度良く綺麗に保たれます。毎日が値引き商品のない売場になります。
そして値引きコーナーにまとめた商品も、安くなった値引き商品としては鮮度が良くので売れていきます。
全ての値引き商品をコーナーに集めることで、お客様のお店に対する信頼度が高まり、商品回転率が上がり無駄な商品もなくなります。
⑦少量パック商品を定番化する

少量パックを定番化することで、商品ごとの通常売価を毎日表示することができます。
目玉商品として定額販売を実施する際に、定番商品の通常価格がベースとなりより安さをアピールできるようになります。
また少量パックでニッチな商品や、他店では取り扱っていない牛肉の希少部位などを、少量パックとして品揃えすると売場の信頼度が高まります。
少量パックがあることにより、個食という需要も取り込めるようになるので、様々な需要に対応ができるようになります。
【売上を上げるための事前準備】
まずは継続が必須です。
一カ月や二カ月で結果が伴わないという理由で、取り組みを止めてしまう企業や部署があります。
しかし短期間で効果を出すのは不可能です。とりあえず半年継続してみて、改善点を模索していくのが妥当だと思います。
まずは来店されるお客様の動向や構成を見極めなければいけません。そして午前と午後の客層の違いをしっかりと確認することです。
午前のお客様は何を求めているのかを知ることです。午後のお客様は何を必要としているのかを知ることです。
次に部門やカテゴリーごとの平均一品単価を調べます。曜日ごとで全く異なる平均一品単価になると思います。
これをもとに平均一品単価よりも上がるような売価設定を下段商品に実施します。
例えば豚肉のカテゴリーにおいて、平日の平均一品単価が350円、週末が400円だったとします。
平日の平均一品単価を400円、週末を450円となるように下段商品やインプロ販売を企画します。
これを少しずつ上げていくと、売れ行きが悪くなる価格帯になります。その一品単価がこの店舗での今時点の最大の一品単価です。
そこを死守するように一品単価をコントロールします。
間違っても一人当たりの買上点数を上げようとしてはいけません。
いくら安くしてもお客様は必要な量しか買っていきません。
夕食に必要な豚肉1パックと鶏肉1パックを買いに来ているお客様に対して、何パックも買わせようとしても無駄です。
【まとめ】
私は食品スーパー精肉部門で約18年間勤務しています。
今まで年間トータルでの精肉部門売上予算を12年間達成しています。会社や店舗が違っても、安定した結果を出すことが出来ました。
たくさんの失敗や挫折を体験しましたが、失敗から学び一握りの成功事例を見つけることができました。
私は時間があればよく競合店を視察をします。
何を売りたいのか、どういう売り方をしているのか、ターゲットはどのような客層なのかを見極めています。
時間帯によるお客様の動向や構成なども確認をしています。
そしてすべてのデータを自店で活用します。売れている店舗や企業はやはり原理原則をしっかりと取り組んでいると感じます。
売上が上がる精肉売場を作って楽しい職場にしましょう。