Food Supermarket

就職先としての食品スーパー6つのメリット【転職希望者必見】

あんそる

転職先として食品スーパーを考えている人へ
「食品スーパーの転職先としての評価を知りたい」
「食品スーパーのメリット・デメリットを知りたい」
「サービス残業がたくさんあると聞いたけど本当はどうなのか教えて欲しい」

こんな風に思っていませんか?
このような疑問に出来る限りお答えします。

【就職先としての食品スーパー6つのメリット】

食品スーパーは私たちの生活の中ではなくてはならない存在です。生活をする上で最低限必要な食品を扱う職業として見直されています。

数年前からのコロナの影響で、各業種のリアル店舗のほとんどが売上高の減少、利益高の減少に陥っています。

しかし食品小売業は少しずつですが売上や利益共に伸び続けています。衣食住の食を担う仕事をしているという責任感を再確認することができました。

長年食品スーパーに携わっている経験から、就職先としての食品スーパーを考察してみました。

良い部分と悪い部分をはっきりさせて、就職先として食品スーパーを考えている新卒者や転職者のお役に立てれば幸いです。

食品スーパー
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①食品は生活必需品なので絶対になくならない



2020年のコロナの影響で、食品スーパーの役割や重要性を改めて考えさせられました。

食品スーパーが扱っている商品は全て生活必需品ですので、需要はこれからもなくなることは絶対にありません。


食品スーパーの最大のメリットは仕事がなくなることはないことです。

ただし利益を稼ぐ仕組みがお客様の購買にのみ依存している経営体系なので儲かる業種ではありません。

仕入先やメーカーから商品を仕入れて、自店で付加価値を付けて販売するという仕組みなので薄利多売な商売となります。

そして経費をどれだけ削減できるかによって業績が左右される業種なので、人件費には非常にシビアとなっています。

労働時間は長くなったり、サービス残業は発生する可能性は大いにあります。

②若くして主要ポストに就ける可能性がある



食品スーパーの特徴の一つとして、他の業種と比較すると非正規雇用者の割合が高いことが挙げられます。

いわゆるパートやアルバイトですが、割合が高い店舗だと従業員の8割が非正規雇用者というデータもあります。

なので必然的に正社員の人数は限られています。

食品スーパーの正社員は少数精鋭だと胸を張りたいところではありますが、正直そうでもありません。

実際のところはよく正社員で入社できたなと思う新卒者や転職者が多くいます。


正社員の絶対数が少ないですし、強いライバルも存在しないので、結果を残す社員はすぐに頭角を現すことが出来ます。

部門の責任者やチーフというポジションであれば、2年から3年で就けることも多々ありますし、主任になるのも3年かからない人もいます。

そして部門責任者として実績を残して、結果を出すことが出来れば、部門の商品部でバイヤーになるという目標や、店舗の責任者である店長という目標も見えてきます。


また食品スーパーは今現在変革時です。今までの経営方針ではネットで何でも購入できる時代に乗り遅れてしまいます。

商品供給の要であるPCセンターの設立や、店舗のパート化、作業の簡易化、作業数量の数値化など、新しい部署やポストが必要となってきます。

➂仕事の結果をなんでも数値化できる


店舗での販売をしているマネージャはあらゆるデータを認識しています。

売上高や利益高はもちろんのことですが、客数や商品別の指標、売場効率、作業効率、日別の動向などすべてデータとして数値化することで対策をしています。

日々の天候やお客様の動向などから売場変更を実施して、数値を最大化するように常に心がけています。

あらゆることが数値化できるので、仕事の評価も得られやすくなっています。部門責任者となり売上高が上がった根拠なる予算売上達成率や昨年対比率などから結果を残すことができます。

また店舗の多い企業であれば、カテゴリーごとや部門ごとのランキングによって評価されるので努力した結果が評価されます。

反面常に努力をしないと結果に繋がらず、悪い数値も表面化してしまうので注意が必要です。

④専門技術や専門知識を得ることができる


どの職種や業種でも専門技術や専門知識は得ることが出来ます。

食品スーパーの場合は、様々な職種が集まって一つの店舗として営業しています。なので担当部署以外のことでも自分から知識を得ることが可能なのです。

例えば鮮魚部門に配属となると、魚の捌き方や魚の目利きをする能力を得ることが出来ます。この技術や知識は食品スーパーだけで通用するわけではありません。

外食産業や加工業者、メーカーなどでもその技術や知識は生きてきます。手に職があるということはこういうことです。

また職種によっては企業によってやり方や管理方法も全く異なることはよくある話です。しかし食品スーパーでの技術や知識は企業が変わっても基本は同じなのですぐに活躍できます。

④あらゆる職種を経験できる。


食品スーパーには様々な部門があります。 青果部、畜産部、水産部、惣菜部、ベーカリー部、ドライ、日配、レジで構成されています。

また店長や副店長などの管理部門やサービスカウンターなどの総務や経理などもあります。

多くの専門の部門があるので、自分が担当する部門以外のことでも多くの学びを得ることが出来ます。

例えば私は精肉部門に所属していますが、副店長時代にはパンと酒を担当していました。精肉部門との兼務となるのですがパンと酒の知識も必要となり勉強しています。

このことがあったおかげでパンや酒には少しではありますが知識が深くなり、メーカーとのやり取りも出来るようになっています。

自分が思ってもいないような部門で能力が上がる可能性を秘めた業種だと思います。自分が成長する目的で食品スーパーを選ぶと有意義な時間を過ごせるはずです。

⑤平日が休日になる。



私の場合はこの平日が休日というのが有難いです。

週末が休みだと家族や友人とは休日が合い会える機会が増えます。

しかし皆が休みの時に休みの場合何処へ行っても混雑しています。特に週末の休みの外出はどこへ行っても混雑しているのであまり乗り気ではありませんでした。

平日は何処へ行っても人が少ないので思う存分休日を楽しむことができます。


また平日が休みだと競合調査や店舗視察などがしやすいという利点もあります。私も休みの日は、時間があれば店舗視察をして自分の店舗に反映していました。

食品スーパーというのは、売場でその店舗の責任者の仕事の考え方や過程を見ることが出来るので勉強しやすく、良い売場は真似をしてチャレンジしやすいです。

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【就職先としての食品スーパーのデメリット】

異業種への転職には不利


この先食品スーパーから異業種への転職を考えているなら、初めから異業種に就職した方が無難です。

食品小売業は異業種への転職には不利となるからです。

会社には職種というものがあります。いわゆる仕事の種類という意味で使われ、会社での仕事の内容によって分かれます。所属している部署もしくは会社での役割です。

食品スーパーの部門の一つである精肉部門や鮮魚部門などは専門職であると思われますが、転職を考える上では専門職として扱われません。

もちろん精肉や鮮魚の技術や知識を習得できますが、職種では販売となります。

転職する際は精肉経験のある販売職でしか就職先を探す事ができないので、選択肢があまりにも小さくなります。

実際は食品スーパー関連にしか需要が生まれないので異業種転職は不利となります。

一から未経験として異業種に挑戦も出来ますが今までの食品スーパーのキャリアが無駄になる可能性もあります。

食品スーパーにしか転職できない人材価値となり得るので、自分で仕事とは別に人材価値を上げる努力は必要になります。

給与は高くない


仕入先から原料を購入し付加価値を付けて販売するという薄利多売な商売となるので、給与面は一般の会社員よりは低い傾向にあります。

業種別平均年収以上貰っている正社員は少ないのが現状だと思います。

とくに顕著なのが賞与額です。経費を削減してやっと店舗に利益が残る経営なので、賞与までは稼ぐことが出来ないのが食品スーパーの辛い現実です。

ただしこの薄利多売という経営基盤を覆そうとする経営者も多く存在しています。

企業によっては企業努力により利益率が高く平均年収も多いところもあります。

サービス残業はなくならない


食品スーパーに中途入社をしてまず率直に感じた事はサービス残業の常習化です。

今現在は働き方改革もありますので、人材管理が適正になってだいぶ良い方向に向かってはいます。

でも以前よりはマシになった程度です。正社員や契約社員の給与の項目でよくあるのがみなし残業代です。

これは月の残業時間はこれだけ発生するので、その分の金額を支給しますというものです。

例えば私の場合、月で22時間分の時間外手当が支給されています。変動ではなく固定ですので、繁忙期だとしてもこの時間外手当が支給される残業時間は変わりません。

一日9時間勤務で、週5日働くと45時間となり、週で5時間の時間外が発生したことになります。これで月22日勤務ですので一日1時間の残業は許されているという解釈になります。


生鮮部門はどこの企業も同じだと思いますが、人員がぎりぎりの状態で稼働しています。なので一日1時間の残業では到底収まらないことが多いです。

それでも今は無理やり退社するようにはしていますが、店舗の早番や遅番があるので時間外が発生しやすくなります。


また店舗での役職が上がってくると、仕事の量が増えますので定時では絶対に帰れなくなります。

自部門の作業が終わったら他の仕事や作業がやらざるを得ない状況になってしまうのです。そして月の決められた残業時間より超過した時間は自己の責任となります。

自分の時間の管理不足となるのです。これがサービス残業の始まりです。

私の場合はサービス残業の常習化と、定時に帰ることへの上司のプレッシャーに理不尽さを感じ一回目の転職をしました。

もし食品スーパーに就職したのなら、サービス残業をサービスなどと決して思わないことです。自分が成長する為、勉強する為に時間を使っていると考えるのです。

そういった考え方で行動しているとモチベーションも保たれやすくなにより無駄になりません。必ず有意義な時間として使う事ができると思います。

そして誰よりも知識の吸収が早くなり、知識や技術面で人より頭角を現してくるでしょう。真面目にコツコツやっていれば必ず良い方向に行きます。

食品スーパーは時間を最大限有効活用した人が勝ちます。時間との勝負なのです。

人との繋がりが難しい


どの業種でもあることですが悪質なクレームが多いです。

ケースバイケースではありますが、改善を要求している意見はほとんどありません。意見ではなく愚痴や悪口がほとんどです。

例を挙げればきりがないのでやめておきますが、よくテレビでも放送している理不尽なクレームがあるということは覚えておいてください。


そして食品スーパーの特徴として挙げたパートやアルバイトの割合が高いので、従業員のほとんどが女性です。

長く勤めてる従業員も多いので、どうしても女性従業員の中で派閥が出来てしまいます。私の経験から言っても、女性の従業員同士で問題がない店舗はありませんでした。

この点も食品小売業の難しさかもしれません。

自部門の数字や店舗の数字で結果を残したとしても、従業員に嫌われてしまったらなんともなりません。

思い通りの仕事ができなくなりますし、仕事がやりにくくなるので、それが原因で異動なんて日常茶飯事です。

それでも自分が作った商品が売れたり、自分が考えた企画が成功すると、仕事が面白くなります。たくさん商品が売れるとやはり嬉しいものです。

【まとめ】


この記事を書いた私は、食品スーパー精肉部門で約18年間勤務しています。

主に新店やリニューアル店舗の精肉責任者や、複数の店舗の畜産グループアシスタントマネージャーをしていました。

どうしてもこの業界は勤務時間が長くなりがちです。しかし目標を持って仕事に臨んでいれば必ず頭角を現すことができます。

そしてコンビニや飲食店のお店がなくなるのは良くあることですが、食品スーパーのお店がなくなったという記憶はありません。

坪数が小さい店舗でも地域のお客様が来店され必要とされています。とても大切な職業です。


また食品スーパーは商品やサービスなどを消費者に提供する流通業界の最後の段階を担っているので、顧客との距離が近い職場になります。

なのでどうしても顧客とのトラブルが多い業種でもあります。

クレーム対応も多く悪質なクレームも存在するので、クレーム対応能力も思う存分伸ばすことができます。

またお客様の属性が多様であるのであらゆる接客対応を学ぶ機会となります。

間違いなくどこの業種へ転職をしても遜色ないほど、クレーム処理能力やお客様対応能力は身に付けることが出来ます。

また非正規雇用者がほとんどを占める職場であるので、自分の部下が全員パートやアルバイトということもあります。

正社員ではない従業員に、どのようにして効率良く作業してもらうために教育するのか。また個人の適性や性格に応じてどのように作業を振り分けるのかが実際に学べます。

人材管理は食品小売業では店舗の利益を残すためには大切な職務なので、無理なく無駄なく適正に稼働を組んでいく管理能力も学べる機会だと思います。

お客様とのセールストークも鍛えることができ、コミュニケーション能力や人材管理能力も鍛えることができます。